思ったことをひっそり書いていきたい

欧州で働き始めて早数年。
正直なところ、日本国内だけで生活していたときとは、物事の考え方や見え方が大きく変わったと自分でも思う。

それは「欧州最高」って日本をdisりたいわけじゃなくて、それまで当たり前だ、常識だと思っていた日本人の習慣や考え方が、日本の外を出てみたら決して普通ではなかったと気づいたってこと。
その中には、日本が世界に誇っていいこと(尚且つ、多くの日本人がそれに気づいていないこと)もたくさんあるし、逆にそれはおかしいんじゃないか、と思うことも含まれている。

だいたいにして、この「世界」っていうのが曲者で、それぞれに異なる「局所」の集合体にすぎない、ってことにも気づかされたことも大きかった。
あくまで、私がいるのが欧州の一国であって、それで「世界」を語るなんて随分とおこがましいはなしだけども、これがアメリカのニューヨークだろうと、アフリカの村だろうと、それは「世界」の一部でしかない。
勿論、日本だってその一部だ。「世界」とか「国際社会」が日本の外のどこかにあるわけじゃない。

と、こういうのは、あくまで私が今置かれた立場から切り取った「世界」なわけだけれども、今日本で、ある種の閉塞感を感じている人たちに、少しだけ違う視点を持つきっかけになってくれたら、という気持ちがあってこの雑記を始めてみる気になった。

特に2011年は、10年くらい経って振り返ったときに、多くの日本人にとってターニングポイントだったという年になる可能性は高い。
3月11日以来、多くの日本人の人生が大きく変わったと思うし、これからも変わっていかざるを得ない。

日本の外からここ最近の母国を見ていて、3月以前よりも増して切迫して、「何かを伝えたい」という気持ちが強くなった。

勿論、「日本を離れたお前になるがわかる!」と言う人もいるだろうが、観察対象の近くにいる人にしか見えないこともあれば、あまりに近すぎると見えてこなくなるものも世の中にはあると思う。
なので、日本から遠くにいる私としては、遠くにいるからこそ見えることを日本の人に伝えるのが、日本人としてできることかもしれない、とも思うのだ。

そういう気持ちを形に残しておけば、誰か読んでくれる人がいるかもしれないし、その中には共感してくれたり、あるいは誰かの助けになったりすることもあるかもしれない。
あと、文章という形することによって、私自身の頭の整理やアイディアの補強にもつながるかもしれない。

ということで、こちら側から見た日本のこと、技術者として生きること、考えたことなんかを、文章に書き記してみようと思う。

そんな目論見で、この雑記をスタートさせることにした。